明日の東播海岸を考える懇談会

第7回懇談会

日時 : 平成10年 2月 6日

場所 : グリーンヒルホテル明石

項目

景観について

  • 日本の海岸景観の特徴は、砂浜と磯とが交互にあらわれ、変化に富んでいることにある。また、海岸線と飛砂防止として施した松林とが一体となり、日本独特の風景が形成されている。これこそが日本における景観の基本である。
  • デザインを考えるときには、元あるもの全てを保全するのではなく、その中にある地形のエッセンスをデザインに利用し、過去の歴史を少しずつ残していくことが重要である。
  • 広すぎる砂浜は単調になりがちである。空間を仕切るための工夫も必要である。
  • 照明等の明かりによる演出は重要であり、有るのと無いのとでは印象が違う。
  • 海岸線や後背地の建物を一つの色で統一し、まとまったイメージを出す。後背地の空間も大切にする必要がある。
  • 砂浜の中にボードウォーク等を設置すると、何もない広漠なものから色合い的にも少し変わった印象を与える効果がある。
  • 海岸に限らず景観を考えるときの基本原則は、どこに人を集めて座らせ、どういうふうな風景を見せるかということである。
  • 海岸構造物をデザインする場合、自然と構造物との接線(接点)には自然素材のものを利用することにより、連続性を生み、柔らかさを醸し出すことができる。

  • 谷八木地区の壁画を含めて、東播海岸沿線には各地区毎にふさわしい歴史的なものが少なくとも一つはある。それを壁画にし、繋げていけば楽しい散歩道になる。
  • 過度なデザインは逆効果である。公園や道路など個別に人がデザインしていくと、個々は美しいが全体的には違和感が生じる。そこで、建築や都市計画では、全体のコーディネートを専門家に任せたり、全体の色を調整する人や素材を合わせる人を別においておくという手法もある。

管理について

  • 夜間の花火や車の騒音等に対する住民からの苦情は減らず、マナーの向上は見られない。条例化を進める等の対応を望まれる。
  • 明石市の市民意識調査によれば、「ゴミ箱があれば入れる」、「ゴミ袋などを用意し、自分の出すゴミは自分で処理をする」と解答した人が約50%である。
    また、若い世代の回答では「ゴミ箱があれば入れる」と解答した人が多く、年代が高くなるにつれて「ゴミ袋などを用意し、自分の出すゴミは自分で処理する」と解答する割合が高くなる。
  • 「打ち上げ花火」については、4人中3人までは「海岸の利用マナーや時間帯を守らなければいけないと思う」と解答しており、さらに5人に1人は「近隣に迷惑だからしてはいけないと思う」と解答している。
    また、年齢が高くなるにつれて「近隣に迷惑だからしてはいけないと思う」と解答する人の比率が高くなっており、逆に「海岸の利用マナーや時間帯は守らなければならない」との解答の比率が低くなる。
  • 「海岸での迷惑行為等を解決する為の取り組み方法」については、「地域団体および警察のパトロールを強化する」との解答が全体の約40%と最も多く、次いで「条例の制定等によって迷惑行為の規制を行う」、「市の広報やマスコミ等を活用してキャンペーンを実施するなど、より一層の啓発活動を行う」、「迷惑追放運動が展開できるよう、その方法等を地域住民と共に検討する」と続く。

  • 松江海岸付近における夏場(6~9月)のゴミの現状には困り果てている。特に明石市市内の人ではなく、神戸の西区、尼崎、宝塚といった近辺から来る客によるゴミの放置が目立つ。
    また、バーベキューをした後のブロックやレンガの放置には頭を抱えている。
  • ウミガメの上陸は全国的に減少している。その理由として、明かりや砂浜での人の騒ぎ声が大きく影響していると考えられる。こうした問題をどう解決していくかが今後のテーマである。
  • 海岸や河口域ではプレジャーボートの無許可放置が目立ち、一般の人が使えない状況になっており、管理条例の制定が急務である。