九頭竜川流域誌


1. 原始・古代
1.1 旧石器時代

 九頭竜川流域とその近辺での旧石器時代の遺跡としては、約3万〜1万5千年前のナイフ形石器(石刃技法)文化に属する三国町西下向遺跡や雄島遺跡、永平寺町木橋遺跡など数例が知られている。これらのうち発掘調査が実施されたのは、米ヶ脇から東尋坊に向かう荒磯遊歩道の途中の断崖で発見された西下向遺跡のみであり、ここからは輝石安山岩製の旧石器が数多く出土している。出土した旧石器は、近畿・瀬戸内地方を中心に分布する国府型ナイフ形石器に属するものであり、日本海側では数少なく、国府型ナイフ形石器文化圏の縁辺にあたることを物語っている。また、これらは三国技法と名付けられた技法によって制作され、地方の特色をもったものとして貴重な品である。

西下向遺跡発掘風景とナイフ形石器(三国町) 西下向遺跡発掘風景とナイフ形石器(三国町) 西下向遺跡発掘風景とナイフ形石器(三国町)
西下向遺跡発掘風景とナイフ形石器(三国町)


九頭竜川流域誌メニューへ
第4章メニューへ
戻る次へ
TOPに戻る

Copyright (c) 国土交通省近畿地方整備局 福井工事事務所 2001 All Rights Reserved.