世界最大級の「地すべり対策工事」で亀の瀬を守ります
深礎工は、地すべりの力が大きいところや、すべり面が深いなどなど、ふつうの杭では対処できない場合に用いる工法です。すべり面より下の硬い岩盤まで、巨大な杭を打って、すべろうとする土のかたまりをせき止めます。最大で直径約6.5m、深さ約96m、約6,000tの力を受け止めることができる杭が170基、配置されています。すべて土の中に埋まっているため、見ることはできません。
深礎工の工事は、巨大な穴を掘ることから始まります。地下水が流れこまないように、穴の壁面を厚さ35cmのコンクリートで固めながら掘り進めます。穴を掘り終えたら、壁面に沿って鉄筋を組み上げ、10mごとにコンクリートを流し込んでいきます。完成時の状態は、鉄筋コンクリートの杭そのものです。そのため、深礎工は"杭を打つ"と表現されます。
大和川に平行して、地すべりが起きないよう巨大な杭が亀の瀬地すべり地帯を押さえています。
地すべり地層と硬い地層との間に鋼の杭を配置し、杭の強度で地すべりをせき止める工法です。亀の瀬では、小規模なブロックや部分的な地すべり対策として560本の杭が打ちこまれています。