国土交通省 近畿地方整備局

和歌山河川国道事務所


ホーム > 河川事業 > 紀の川大堰 > 自然環境の保全


紀の川大堰

自然環境の保全

1.現状の自然環境
罫線
■生物環境
 現状の紀の川下流部は、自然河川本来の多様な姿が比較的良好に保たれています。
 特に河川敷植生は水辺植生が発達しており、このことは種々の生物の生息環境として、景観、親水性等に関しても大きな意義をもっています。
 また、学術上重要な種も多く確認されています。

■河川形態
 紀の川下流部は新六ヶ井堰を境に汽水域、淡水域、さらには流水域、湛水域に区分され、これが河川形態としての大きな特徴となっており、生物環境の多様性の基盤となっています。

■紀の川下流部に出現する生物の種類及び注目すべき種
生物群 種類数 注目すべき種
紀の川下流部1) 直轄管理区間2) 紀の川下流部1)
1991~
1994
年度
1976~
1994
年度
1991~
1994
年度
1976~
1994
年度
1991~1994年度
(赤字:事業区間で確認)
1976~1994年度
(赤字:事業区間で確認)
陸上植物 437 497 572 663 ハマアカザ3)タコノアシ、カワラサイコ、ヒメミソハギ、ミゾコウジュ、ハマウツボ、ヤマジノギク、ヤブスゲ、シオクグ
(9種)
ハマアカザ3)、 タコノアシ、カワラサイコ、カワラハハコ、ヒメミソハギ、ミゾコウジュ、ハマウツボ、ヤマジノギク、コゴメカゼクサ3)ヤブスゲ、シオクグ
(11種)
鳥 類 99 123 129 カンムリカイツブリ、カワウ、チュウサギ、ツクシガモ、ヨシガモ、ミサゴ、オオタカ、チュウヒ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、タゲリ、コアジサシ、カワセミ
(13種)
カンムリカイツブリ、カワウ、チュウサギ、マガン、アカツクシガモ、ツクシガモ、トモエガモ、ヨシガモ、アカハジロ、ミサゴ、ハチクマ、オオタカ、チュウヒ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、タゲリ、コシャクシギ、コアジサシ、カワセミ
(19種)
陸上昆虫類 1,131 1,190 1,320 1,373 ムスジイトトンボ、オツネントンボ、ミナミアオカメムシ、ミズムシ
(4種)
ムスジイトトンボ、オツネントンボ、ミナミアオカメムシ、ミズムシ
(4種)


両生類 5 6 5 6 なし なし
爬虫類 7 9 8 10 なし なし
哺乳類 10 12 10 12 なし なし
魚介類5)6)
(汽水域)
(淡水域)
127
(111)
(39)
134
(113)
(44)
129
(112)
(41)
136
(113)
(46)
サツキマス4)
アカメ4)
(2種)
サツキマス4)
アカメ4)
(2種)
底生動物7)
(貝類)
145
(32)
191
(32 )
なし なし
水生植物 12 14 (リュウノヒゲモ:
漂着)
(リュウノヒゲモ:
漂着)
付着藻類 315 385 なし なし
植物
プランクトン
92 113 なし なし
動物
プランクトン
51 53 なし なし
 
H7.3月時点
1)紀の川下流部(紀の川:0.0~16.3k)
2)国直轄管理区間(紀の川:0.0~62.4k. 貴志川:0.0~6.0k)
3)生育地点は不明
4)聞き取り調査による
5)文献調査を含めて紀の川水系(1976~1994年度)での確認種は145種類
6)この他にシオマネキ、ハクセンシオマネキ(魚介類)が確認されている
7)文献調査を含めて紀の川水系(1976~1994年度)での確認種は233種類

2.自然環境保全の基本方針
罫線
 紀の川大堰建設事業では、昭和51年度から実施した自然環境調査をもとに、学識経験者からなる委員会において、様々な面から紀の川大堰建設による自然環境への影響に対する検討を行い、自然環境保全計画を策定しています。 説明図

3.自然環境保全対策
罫線
 自然環境保全のためワンド・干潟の保全・造成、浅瀬・中州の保全、付属水面 ・貴重種植物群落の保全を計画しています。また、自然環境保全計画では、ワンド・干潟等の保全・造成のみでなく、自然環境に対する工事中及び工事完了後のモニタリング調査を計画しています。
 なお、最近の調査において従来のシオマネキに加えて、甲殻類の希少種であるタイワンヒライソモドキ、ヒメヒライソモドキ(仮称)、アゴヒロカワガニの3種が新たに確認されましたが、このうちタイワンヒライソモドキの主な生息地が紀の川大堰の設置・運用により消滅することとなるため、代替えとなる生息環境の確保を検討しており、これに先だってカニの試験移植を行ったところです。
 今後は、試験移植のモニタリング調査をふまえて、移植計画を策定する予定です。
写真
タイワンヒライソモドキ
写真
試験移植地における放流状況(H10.11.19・20)

ワンド・干潟の保全・造成
(右岸6.0k付近、右岸7.6k付近、右岸10.0k付近)
●水際線、底質、水深などに変化をつける
●水際線を曲線的にして自然に近い形状とする
●ヨシ群落、ヤナギなどの復元・移植
●干潟や砂礫地などの設置
●既存のワンド・干潟の保全
浅瀬の保全(左岸7.6k付近) ●ヨシ群落、セイタカヨシ群落、ヤナギ群落などの保全
中州の保全(11.0k付近) ●ヨシ群落、ヤナギ群落などをできる限り現状のまま
 残すことにより、植生や浅瀬を保全
付属水面・貴重種植物群落の保全
(左岸11.0k付近)
●タコノアシ、ミゾコウジュなどの貴重な植物が
 残された区域の保全
※付属水面とは、河川敷のなかに残された池状の水の滞留部をいいます。

■自然環境保全対策イメージ図(案)
説明図
拡大図。PDFファイルが開きます。

写真 写真
直川地区ワンド(右岸7.6k付近)
施工前(H9.3)
直川地区ワンド(右岸7.6k付近)
施工後(H10.8)

写真   写真   写真
シオマネキ   カンムリ
カイツブリ
  タコノアシ

<<戻る 次へ>>