はじめに

 国土交通省では、平成9年の河川法改正に伴い「河川整備基本方針」「河川整備計画」を策定することとなった。
 ついては、近畿地方整備局においても学識経験者や住民の意見を聴き、20~30年間の具体的な河川整備の内容を示す河川整備計画を策定するため、各水系において、学識経験者の意見を聴く場として、「流域委員会」の設置を予定している。

 本答申は、近畿地方整備局が「淀川水系河川整備計画(直轄管理区間を基本)」の策定に際し、学識経験者等から意見を聴くための流域委員会を設置するにあたり、平成12年7月26日に近畿地方建設局長(現、近畿地方整備局長)から、淀川水系流域委員会準備会議に「今後、設置する淀川水系流域委員会のあり方について」諮問されたことを受け検討を重ねてきたものである。
 
 近畿地方整備局においては、本答申を踏まえ、「淀川水系流域委員会」を設置されたい。
 特に、本答申に至るまでに以下のような経緯があったので、規約の成文化、委員会の運営にあたっては、配慮願いたい。

準備会議の公開と運営

・準備会議の審議は原則として公開の場で行い、審議内容もニュースレターやホームページ上で公開した。
・準備会議では、一般傍聴者と意見交換をする時間を設け、これを審議内容に反映させた。
・準備会議の運営は、河川管理者と一線を画し、第三者的立場で民間企業が行った。
・流域委員会の運営にあたっても、準備会議の運営方式を参考にされたい。

淀川水系流域委員会の特徴

・淀川水系流域委員会のあり方として、組織構成、委員の選定方法、会議及び会議内容の公開方法等において、従来にない新しい方式を導入し、今後の公共事業の計画づくりのモデルとなることを目指した。

淀川水系流域委員会委員候補の選定

・委員候補のリスト作成にあたって、準備会議委員や河川管理者の推薦に加え、公募を行った。
・学識経験者の範囲として、大学の教員、研究所の研究員といった従来型の範囲に加え、地域の特性に詳しい者を新たに加えた。
・改正河川法の趣旨を踏まえ、河川事業に関わる専門の範囲を従来よりも幅広くとらえ、治水、利水、環境の分野から選定した。
・広く国民的な議論を行うために、経済、法律を専門とする者、マスコミの経験者等も選定した。

淀川水系流域委員会の組織構成

・淀川水系は広範囲に及び地域によって河川を取り巻く状況が大きく異なるので、地域別の詳細な検討が必要であり、また、上下流、河川間のバランスも含めた検討も必要であることから、淀川水系流域委員会は、委員会とその下部組織である地域別部会により構成することとした。

住民意見の聴取方針

・住民の意見が寄せられるのを待つだけではなく、河川利用の現場に赴くなどして、より積極的に意見を聴取することとする。
・多様な意見聴取方法を取り入れ、できるだけ、広範囲に多様な住民の意見を聴取することとする。