『改めて土砂災害を知り、備える』シンポジウムを開催しました

(平成29年9月9日)

那智川流域に甚大な被害をもたらした平成23年紀伊半島大水害から6年が経ち、その後も毎年各地で多くの土砂災害が発生しています。このたび、地域の皆様に改めて土砂災害を知っていただき、土砂災害から命と地域を守るための備えについて考えていただく機会としてシンポジウムを那智勝浦町で開催しました。
 当日は会場いっぱいとなる約200名の方がお集まりになり、土砂災害の特徴や最近の土砂災害の発生状況や大規模土砂災害対策技術センターでの土砂災害に関する調査・研究の取り組み等を熱心に聴講されました。ご参加、ありがとうございました。
会場風景のようす

紀伊山地における大規模河道閉塞(天然ダム)対策の考え方(案)
日 時 平成29年9月9日(土)13時30分から16時まで
会 場 和歌山県那智勝浦町 那智勝浦町体育分化会館
主 催 近畿地方整備局、大規模土砂災害対策技術センター
協 力 和歌山県土砂災害啓発センター、那智勝浦町

シンポジウムに関するアンケートを実施したところ、「近年、雨の降り方が変わってきている中、災害に備える心構えが大事だと感じた」「災害を忘れないためにも、またこのような機会があればと思う」「若い世代にも聞いてほしい」といった感想が寄せられました。

シンポジウム開催概要

今回のシンポジウムで発表した内容についてご紹介します。掲載資料の詳細については大規模土砂災害対策技術センターまでお問い合わせください。

近年の土砂災害を振り返って~その特徴と対策~

(技術センター副センター長 吉村元吾)

○発表概要

  1. 紀伊半島大水害以後、各地で発生した土砂災害について、特徴やその後とられている対策などを紹介しました。
吉村元吾副センター長

大規模土砂災害対策技術センターの取り組み

○発表概要

  1. 紀伊半島大水害を契機に進めてきた土砂災害に関する調査・研究の取り組みの中から、小学校での防災教育や紀伊半島大水害についてのヒアリング調査等を報告しました。
木下篤彦センター員と田中健貴センター員

土砂災害に関する研究の最前線から

(技術センター副センター長 桜井亘)

○発表概要

  1. 土砂災害に関する最新の研究、たとえばSNSなどを活用した土砂災害の切迫性評価に関する研究などを紹介しました。
桜井亘副センター長

パネルディスカッション

パネルディスカッションのようす

パネルディスカッションでは吉村副センター長を進行役に、桜井副センター長、木下センター員、寺本那智勝浦町長および和歌山県砂防課の森川副課長を加えて、各機関での取り組みや問題意識を出し合った上で土砂災害から命と地域を守るために重要な以下のポイントを参加者と改めて確認しました。

【確認事項まとめ】

  1. 土砂災害について改めて知る
  2. 早めの避難を心掛け実践する
  3. みんな(個人・地域・行政)で協力して取り組む

閉会の挨拶

(那智勝浦町長 寺本眞一)

○要旨

  1. 今後の災害に備えるためにも、紀伊半島大水害の経験を伝承していきたい
  2. 地域住民が、センターの取り組みを通じて災害の知識を習得し、自助共助の意識が高まることを期待したい
寺本眞一那智勝浦町長

パネル展示・映像上映等

会場では調査研究成果を紹介するパネルとともに、調査で使うドローンや各種観測機器、那智川流域の地質ボーリングコア標本、模型装置による土石流実験の実演等、「見て・触れる」展示を行いました。

パネル展示風景 土石流実験の実演風景
パネル展示のようす
パネル展示風景 土石流実験の実演風景
調査で使うドローンの展示 土石流実験の実演